ペンのまにまに
昭和の絵はがき
 いま、JR秋田駅前のフォンテ1階ギャラリープリモで「昭和の絵はがき」展が開かれています。観光地や歴史の街並み、風俗、芸能、アニメ等々さまざまな図案の絵はがき展示販売会です。
写真の絵はがきは、映画「男はつらいよ」第29作「寅次郎あじさいの恋」(昭和57年)のポスターの縮刷版。この作品は河井寛次郎記念館がロケ地とあって、民藝ファンを大いに楽しませました。
ちなみに民藝ファン曰く、片岡仁左衛門が人間国宝の陶芸家として寛次郎を演じていましたが、ほんとうの寛次郎は人間国宝も文化勲章(1955年)も辞退した無冠の陶工です。
この展示販売会は5月25日(日)まで。寅さんはもとよりどの絵はがきも暑中見舞い用におすすめです。
2025/5/13(Tue)
月刊たくみ(二)
 昭和8年(1933年)創業の民藝店「たくみ」に『月刊たくみ』(昭和10年発行)という情報誌がありました。現在、日本民藝協会が発行している『民藝』の前身です。
写真は戦後の混乱を経て昭和27年10月に再刊された『月刊たくみ』第一号。巻頭には同年(1952年)、イギリスのダーティントン・ホールで開催された「国際工芸家会議」のようすが報告されています。柳宗悦、濱田庄司の参加に志賀直哉が同道したことや、日本民藝館の蔵品が300枚のスライドで紹介され20ヵ国150人の参加者に絶賛されたこと等々。日焼けした4ページの小冊子が、当時の民藝の限りない未来を物語っています。この記事は合冊本『たくみ』第一集に再録あり。1冊1,000円。当ショップにて販売中です。
2025/5/8(Thu)
昭和の絵はがき
 ただいまJR秋田駅前のフォンテ1階ギャラリープリモで「昭和の絵はがき」展が開かれています。切手代が、2円(昭和23年)、7円(昭和41年)、20円(昭和51年)、40円(昭和56年)時代の絵はがきの展示販売会です。
写真は館岡栗山の絵はがき「秋田のことば」8枚組のうちの1枚。ハンコタンナで顔を覆った早乙女たちが鳥海山を背に田植えに励んでいます。
このほか同展に出品の絵はがきの図柄は景勝地、街並み、風俗、アニメなどなど。会期は5月25日(日)までです。
2025/4/29(Tue)
月刊たくみ
 昭和8年(1933年)創業の民藝店「たくみ」に『月刊たくみ』という情報誌があった。昭和10年発行の同誌は、のちに東京民藝協会に譲り渡され、さらに昭和32年に柳宗悦のたっての希望で発行権が日本民藝協会に移管され、雑誌『民藝』として今日に至っている。
初期の『月刊たくみ』はわずか4ページの冊子ながら当時の民藝情報速報誌として大好評だったという。新作民藝の紹介、展覧会案内、同人の座談会録などなど、現在のSNSの役割を果たしたのであった。
写真は平成14年(2002年)に三度目の復刊を果たした『たくみ』1号~25号の合冊本。1冊1,000円。当ショップ店頭で販売中。
2025/4/22(Tue)
亀田の丹前下
 藩政時代、旧岩城町亀田(現在の由利本荘市)では下級武士の手内職として木綿の織物が織られていました。昭和の時代には機業所が設立され、亀田特産「秋田地織」のブランドで昭和40年代後半まで、ちょうど映画「砂の器」(昭和49年 松竹)で今西警部と吉村刑事が同地に降り立った頃まで操業が続けられました。
写真は当時の商品「丹前下」の商標。現在、秋田駅前のギャラリープリモで開催中の「秋田のネクタイ」展では、この丹前下で作られたネクタイが展示販売されています。会期は4月20日(日)までです。
2025/4/15(Tue)
ネクタイとシュシュ
 いま、JR秋田駅前フォンテ1階のギャラリープリモで「秋田のネクタイ」展が開かれています。秋田八丈や横手の染織など秋田で作られた布や、ゆかたや丹前など秋田で使われた布を材料にしたネクタイとシュシュの展示販売会です。
写真はギャラリープリモの外観。2段10列の展示ボックス(天井の5列は解説パネル)に20本のネクタイと28個のシュシュが並んでいます。
ご自身の普段使いや出張用として、また友人への贈り物として、どうぞご利用ください。お手に取ってご覧になりたい方は同階のプリモカワカミへお申し付けを。会期は4月20日(日)までです。


2025/4/8(Tue)
古シ泉ハ 新タシ 水ハ
 四月は新タシことをめでる月。新しい土地、新しい暮らし、その始まりを讃える。
写真は柳宗悦の心偈の一句(掛軸:青森市つがる工芸店蔵)
「古い古い泉ではあるが、湧き出る水にいつだとて古さがあったことはない」「永劫の値打ちがあるものは時間の差別を許さぬ」(柳宗悦選集『心偈』跋文より)
一句は、定まった土地や変わらぬ暮らしを「だから古くして、しかも新しいのである」と祝福するのである。今日四月一日。
2025/4/1(Tue)
秋田のネクタイ
 ただいまJR秋田駅前のフォンテ1階ギャラリープリモで「秋田のネクタイ」展が開かれています。
昭和の時代に秋田で作られた布や、秋田で使われていた布を材料にした手作りネクタイの展示販売会です。
写真は、同展にまぶし(秋田弁で便乗)で展示されたシュシュ。材料はネクタイと同じ浅舞絞(上)と横手絣です。どちらも1個450円。当ショップからの出品。
このほかネクタイの材料には秋田八丈や亀田地織、平鹿紺染などが使われています。価格は1本3,800円から6,000円。ネクタイは秋田市在住の長谷川弘子さんの作。
秋田駅前にお出かけの折にはどうぞお立ち寄りください。会期は4月20日(日)までです。
2025/3/25(Tue)
伊勢谷運吉
 昭和9年9月、奥羽地方の民藝調査の折、柳宗悦は秋田市内を巡り歩き、町はずれの小さな鍛冶屋から「それは美しい山刀」と「今まで見たどの五徳よりも美しい五徳」を買い求めた。受取證には秋田市保戸野表鉄砲町伊勢谷運吉と記してあった。
山刀と五徳は東京高島屋で開催された「現代日本民藝展覧會」に出品され、バーナード・リーチをはじめ多くの仲間から追加注文が寄せられた。
一年の後、柳は河井寛次郎とともに再び秋田市鉄砲町を訪ねたが、すでにその店はなく、聞けば「あぁ伊勢谷さんですか、亡くなったですよ」。
昭和10年11月、柳は『思ひ出す職人』という一文に草した。
「亡き伊勢谷よ、おれは君の作ったものを民藝館のために買っておいたことを実によかったと思ふよ。ふりかかった運命などにどうかこだわってくれるな。このことは誰の身の上にだって実は同じものだ…」
写真は柳宗悦全集第11巻(昭和56年、筑摩書房)。518ページの大著のなかに『思ひ出す職人』4ページが収録されている。当ショップ店頭価格7,500円。
2025/3/18(Tue)
珈琲の楽しみ Ⅱ
 ただいまJR秋田駅前のフォンテ秋田ギャラリープリモで「珈琲の楽しみ」展が開かれています。マグカップやコーヒー碗、スプーンなどの展示販売会です。
写真は秋田県立博物館喫茶コーナーの窓際のカウンター。遠景は水心苑の外輪。手前の逆光のマグカップは島根県湯町窯の作で1個3,800円。色はガレナ釉と呼ばれる黄色です。
湯町窯はバーナード・リーチに手ほどきを受けたエッグベーカーが有名ですが、マグカップの持ち手にも英国の風情が漂っています。現品はギャラリープリモでご覧いただけます。会期は3月16日(日)まで。
ちなみに上記のカウンター超しの景色をご覧になりたい方は、喫茶コーナーの自販機をご利用ください。こちらは紙コップで1杯120円です。
2025/3/4(Tue)