冬ナクバ 春ナキニ
柳宗悦の心偈(こころうた)の一句。
心偈は、柳が自らの心境を詠んだ短い句の総称。
「うららかな春を人は待ちわびている。しかし春は冬を経ずしては来ぬ。春のために冬があるともいえ、また逆に、春なき冬はないともいえる。人生のこと、またこの法を離れてはあるまい」。柳宗悦選集第二巻『心偈』自註より。
写真は、棟方志功の版による「心偈」の一作。
昭和30年代初め、病床にあった柳宗悦を励ますために濱田庄司の依頼で製作された。
2025/1/15(Wed)
新年のご挨拶
あけましておめでとうございます。
本日2025年1月4日(土)、当ショップの営業が始まりました。
写真は色紙絵「日の丸に唐草文瓶子」。瓶子(へいし)は酒器の一種。陶芸家設楽享良氏の筆。
唐草文様はメソポタミアやエジプトから伝わったといわれるアラベスクの代表文様の一つ。アラブ諸国では食器や陶板に描かれたり、モスクの天井や壁面の装飾に用いられます。
日本でも相撲の行司から泥棒まで広く愛用される有職文様として知られます。図柄の本領は途切れることのない蔓草の生命力。
この年頭に設楽氏の描く唐草文を掲げて、一年の息災を祈ります。
2025/1/4(Sat)
年末年始の休業のお知らせ
2024年12月28日(土)~2025年1月3日(金)、博物館もショップも年末年始の休業をいたします。
写真は当ショップ自慢のしめ飾り。わら細工本体は秋田県美郷町の作。紙紙垂と松と昆布の飾りは秋田市の手仕事工房の作。
このしめ飾りを目印に、幸福の年神さまがショップの許へみなさまの許へ降り来ることを祈ります。
2024/12/27(Fri)
芹沢卓上カレンダー
ただいま当ショップの店頭には、しめ飾りやカレンダーなどお正月の商品が並んでおります。
しめ飾りはわら細工の輪飾り型(1本1,540円)。カレンダーは卓上用や壁掛け用など各種取り揃えております。
写真は芹沢銈介図案の卓上カレンダー。1946年の初作から、1984年の芹沢逝去の後も復刻版が作り続けられた芹沢芸術の代表作です。今年は1947年の復刻版、税込み1部1,320円。
今年のショップの営業は12月23日(月)の休業日の後、24日(火)~27日(金)の四日間。博物館の開館日と同じ。
除雪の行き届いた広い駐車場と自販機の充実した休憩コーナーも皆様のお越しをお待ちしております。
2024/12/22(Sun)
初春の彩り
本日12月7日(土)からJR秋田駅前フォンテ秋田1階のギャラリープリモで「初春の彩り」展が始まりました。
寿文や鶴亀、松竹梅など吉祥の図が描かれた陶磁器、漆器のほか、縁起物の小品が展示販売されています。
新しい年を祝い調度を飾る風習は幸福と繁栄をもたらす年中行事として平安時代から行われていたといわれます。
写真は秋田県横手市の中山人形「巳」。来年の干支にちなんだ土鈴です。よろずの願いが叶うという宝珠に神の使いの白蛇が描かれた初春を彩る逸品です。1個1,320円。
会期は2025年1月5日(日)までです。
2024/12/7(Sat)
遠刈田
ただいまJR秋田駅前のフォンテ1階ギャラリープリモで「東北のこけし」展が開かれています。展示は東北六県の伝統こけし10系統40本。全品即売につき、人気のこけしが売り切れのときはご容赦ください。
このうちの遠刈田(とおがった)系と呼ばれるこけしは、宮城県遠刈田温泉に近い集落で発生したこけしです。
形は、胴はやや細身の直胴で、頭は胴より一回り大きい角ばった丸形が特徴です。
写真は遠刈田系こけし工人小林定雄さんの色紙絵。
放射線状に描かれた菊花文様は遠刈田の代表的な胴模様です。
この小林定雄さんのこけし、現品はギャラリープリモでご覧くださいませ。会期は12月1日(日)までです。
2024/11/19(Tue)
東北のこけし
ただいま、JR秋田駅前フォンテ1階のギャラリープリモで「東北のこけし」展が開かれています。
青森県の津軽系から福島県の土湯系まで東北六県の伝統こけし10系統36工人の作品40本が並んでいます。
ちなみに伝統こけしという呼び名は、百年の歴史もしくは工人三代の継承を経たこけしの総称です。
写真は秋田県湯沢市(旧雄勝郡稲川町川連)の木地山系こけし工人高橋雄司さんの色紙絵。本展には六寸のこけしが展示されています。
秋田駅前にお出かけの折にはぜひお立ち寄りくださいませ。
なお、展示のこけしは全品即売可。会期は12月1日(日)までです。
2024/11/4(Mon)
落葉染めのハンカチ
本日10月20日(日)、秋田県立博物館わくわく探検室にて体験学習「落葉文様のハンカチ」が開かれました。
カエデやフキ、イチジクなど身近な木々の落葉に顔料を乗せて、ハンカチにその葉脈を描き出します。
形は葉っぱに任せて、色は顔料に任せて、作為のない造形はどのハンカチも美しく仕上げました。
とりどりの葉っぱを用意してくれたのはわくわくの担当職員。
講師は秋田県民藝協会会員で染色作家の長谷川弘子さん。
秋の短日の華やぎでした。
2024/10/20(Sun)
秋田のあられとせんべい
ただいま当ショップ店頭では、秋田米で作られた「あられ」や「せんべい」を販売しております。
秋田県立博物館の企画展「稲穂の詩-秋田の米づくり」にちなんだ商品です。
ちなみに「柿の種」の浪花屋製菓(新潟県長岡市)によれば、もち米で作るのが「あられ」、うるち米で作るのが「せんべい」とのこと。
また「あられ」と「おかき」の違いは、粒の大きさ5センチを境に小さいものをあられ、大きいものをおかきと呼ぶそうです。
ショップ店頭に並ぶ「しょっつる味」「いぶりがっこ風味」「比内地鶏風味」など多彩な秋田米菓。
秋田弁でいえば「しょっぺども、んめもの」ばかりです。
2024/10/6(Sun)
漆器のたのしみ
本日9月28日からJR秋田駅前のフォンテあきた1階ギャラリープリモで「漆器のたのしみ-佐藤善六の仕事-」が開かれています。
出品は佐藤善六漆器店。明治5年(1872年)創業の老舗。
柳宗悦が『手仕事の日本』に「雄勝郡に川連の町があります。漆器の産地で名が知られてゐます。昔から形をくづさない品物は、傳統のお陰で見ごたへがあります」と書いたその川連漆器の展示販売会です。
写真は三寸八分腰高汁椀(同店ホームページより)。
柳のいう「傳統のお陰」とはこんな形か、と想像します。
会期は10月27日(日)まで。秋田駅前にお出かけの時はどうぞお立ち寄りくださいませ。
2024/9/28(Sat)