ペンのまにまに
月刊たくみ
 昭和8年(1933年)創業の民藝店「たくみ」に『月刊たくみ』という情報誌があった。昭和10年発行の同誌は、のちに東京民藝協会に譲り渡され、さらに昭和32年に柳宗悦のたっての希望で発行権が日本民藝協会に移管され、雑誌『民藝』として今日に至っている。
初期の『月刊たくみ』はわずか4ページの冊子ながら当時の民藝情報速報誌として大好評だったという。新作民藝の紹介、展覧会案内、同人の座談会録などなど、現在のSNSの役割を果たしたのであった。
写真は平成14年(2002年)に三度目の復刊を果たした『たくみ』1号~25号の合冊本。1冊1,000円。当ショップ店頭で販売中。
2025/4/22(Tue)
亀田の丹前下
 藩政時代、旧岩城町亀田(現在の由利本荘市)では下級武士の手内職として木綿の織物が織られていました。昭和の時代には機業所が設立され、亀田特産「秋田地織」のブランドで昭和40年代後半まで、ちょうど映画「砂の器」(昭和49年 松竹)で今西警部と吉村刑事が同地に降り立った頃まで操業が続けられました。
写真は当時の商品「丹前下」の商標。現在、秋田駅前のギャラリープリモで開催中の「秋田のネクタイ」展では、この丹前下で作られたネクタイが展示販売されています。会期は4月20日(日)までです。
2025/4/15(Tue)
ネクタイとシュシュ
 いま、JR秋田駅前フォンテ1階のギャラリープリモで「秋田のネクタイ」展が開かれています。秋田八丈や横手の染織など秋田で作られた布や、ゆかたや丹前など秋田で使われた布を材料にしたネクタイとシュシュの展示販売会です。
写真はギャラリープリモの外観。2段10列の展示ボックス(天井の5列は解説パネル)に20本のネクタイと28個のシュシュが並んでいます。
ご自身の普段使いや出張用として、また友人への贈り物として、どうぞご利用ください。お手に取ってご覧になりたい方は同階のプリモカワカミへお申し付けを。会期は4月20日(日)までです。


2025/4/8(Tue)
古シ泉ハ 新タシ 水ハ
 四月は新タシことをめでる月。新しい土地、新しい暮らし、その始まりを讃える。
写真は柳宗悦の心偈の一句(掛軸:青森市つがる工芸店蔵)
「古い古い泉ではあるが、湧き出る水にいつだとて古さがあったことはない」「永劫の値打ちがあるものは時間の差別を許さぬ」(柳宗悦選集『心偈』跋文より)
一句は、定まった土地や変わらぬ暮らしを「だから古くして、しかも新しいのである」と祝福するのである。今日四月一日。
2025/4/1(Tue)
秋田のネクタイ
 ただいまJR秋田駅前のフォンテ1階ギャラリープリモで「秋田のネクタイ」展が開かれています。
昭和の時代に秋田で作られた布や、秋田で使われていた布を材料にした手作りネクタイの展示販売会です。
写真は、同展にまぶし(秋田弁で便乗)で展示されたシュシュ。材料はネクタイと同じ浅舞絞(上)と横手絣です。どちらも1個450円。当ショップからの出品。
このほかネクタイの材料には秋田八丈や亀田地織、平鹿紺染などが使われています。価格は1本3,800円から6,000円。ネクタイは秋田市在住の長谷川弘子さんの作。
秋田駅前にお出かけの折にはどうぞお立ち寄りください。会期は4月20日(日)までです。
2025/3/25(Tue)
伊勢谷運吉
 昭和9年9月、奥羽地方の民藝調査の折、柳宗悦は秋田市内を巡り歩き、町はずれの小さな鍛冶屋から「それは美しい山刀」と「今まで見たどの五徳よりも美しい五徳」を買い求めた。受取證には秋田市保戸野表鉄砲町伊勢谷運吉と記してあった。
山刀と五徳は東京高島屋で開催された「現代日本民藝展覧會」に出品され、バーナード・リーチをはじめ多くの仲間から追加注文が寄せられた。
一年の後、柳は河井寛次郎とともに再び秋田市鉄砲町を訪ねたが、すでにその店はなく、聞けば「あぁ伊勢谷さんですか、亡くなったですよ」。
昭和10年11月、柳は『思ひ出す職人』という一文に草した。
「亡き伊勢谷よ、おれは君の作ったものを民藝館のために買っておいたことを実によかったと思ふよ。ふりかかった運命などにどうかこだわってくれるな。このことは誰の身の上にだって実は同じものだ…」
写真は柳宗悦全集第11巻(昭和56年、筑摩書房)。518ページの大著のなかに『思ひ出す職人』4ページが収録されている。当ショップ店頭価格7,500円。
2025/3/18(Tue)
珈琲の楽しみ Ⅱ
 ただいまJR秋田駅前のフォンテ秋田ギャラリープリモで「珈琲の楽しみ」展が開かれています。マグカップやコーヒー碗、スプーンなどの展示販売会です。
写真は秋田県立博物館喫茶コーナーの窓際のカウンター。遠景は水心苑の外輪。手前の逆光のマグカップは島根県湯町窯の作で1個3,800円。色はガレナ釉と呼ばれる黄色です。
湯町窯はバーナード・リーチに手ほどきを受けたエッグベーカーが有名ですが、マグカップの持ち手にも英国の風情が漂っています。現品はギャラリープリモでご覧いただけます。会期は3月16日(日)まで。
ちなみに上記のカウンター超しの景色をご覧になりたい方は、喫茶コーナーの自販機をご利用ください。こちらは紙コップで1杯120円です。
2025/3/4(Tue)
芝原の雛人形
 千葉県長南町の芝原雛人形は、上総のお雛様として親しまれた土人形です。
この地区では3月3日、山から降りてきた神さまが人形に宿って家々をめぐり、魔を払い福寿を授け、3月4日には山に戻るのだそうです。
その日、神さまを見送るのは子どもたちの役目。それぞれが雛人形とご馳走を携えて里山に登り、人形を掲げ、ごちそうを食べ、うたを歌って別れを惜しみます。
♪おひいなさまよ らいねん ごじゃれ はるのはなみに ごじゃれ … (「季節のわらべうた」より)
写真は、芝原人形四代目千葉惣次さん作の内裏雛。高さ12センチ、横は二人並んで27センチ。価格は16,500円。当ショップ店頭での展示販売です。
2025/2/26(Wed)
ハタハタ
 ハタハタは秋田県の県魚。漁期は11月末から12月にかけて。「ハタハタがなければ正月が迎えられない」といわれながら、今年は記録的な不漁で庶民の正月にその姿はありませんでした。秋田市のとある魚屋の値段は1箱4キロ28,000円(100グラム当り700円)でノドクロと同じ値段だったとか。庶民が口にしたのは北海道産や新潟産のハタハタでした。
写真は当ショップ名物のピンバッジのハタハタ。こちらはブリコたっぷりの秋田産。1尾500円で通年販売。遠方の方には送料110円でお送りしております。
2025/2/20(Thu)
珈琲の楽しみ
 2月15日(土)からJR秋田駅前のフォンテ秋田ギャラリープリモで「珈琲の楽しみ」展が始まります。マグカップやコーヒー碗皿、スプーンなど全52点の展示販売会です。
写真の逆光に写るマグカップ2個は設楽享良さんの作(撮影場所は秋田県立博物館の喫茶コーナー)。ほんとうの色は白磁の白色。現品は「珈琲の楽しみ」展でご覧いただけます。
また、博物館では同日2月15日(土)から企画展「秋田の宝」が始まります。
春の兆しのギャラリープリモと秋田県立博物館、みなさまのお越しをお待ちしております。
2025/2/14(Fri)