ペンのまにまに
津軽凧
 正月の遊びといえば凧揚げ。武者絵の津軽凧が鉛色の空に舞っています。
 この写真は青森県板柳町の「松山凧の会」の凧揚げ風景。遠景の岩木山といい年をした父さんたちが夢中で凧糸を手繰っている様子は、トリミングでカットされています。
2024/1/16(Tue)
祝げら
あけましておめでとうございます。
この「祝げら」は結納や結婚式、上棟式や新築祝など祝儀の御酒を運ぶときに羽織る縁起物です。本体は黒染めにした海草(スガモ)と白の三筋は束ねた葉麻。襟飾りには鶴亀松竹梅、三三九度の盃が織り込まれています。
秋田県旧平鹿群増田町の硯タケノ(すずりたけの)さんの作(昭和50年頃)。
このめでたき手仕事にあやかり、今年もよろしくお願いいたします。
2024/1/12(Fri)
年末年始の休業
2023年12月28日(木)~2024年1月3日(水)、秋田県立博物館の冬期休館にあわせて当ミュージアムショップも休業いたします。
写真右は来年の干支、秋田県中山人形の竜土鈴。左は大平山三吉神社の御神影、勝平得之の版画「大平山三吉大権現」。
みなさま良き年末年始をお過ごしくださいませ。
2023/12/19(Tue)
角館を訪ねた民藝人
 角館新潮社記念文学館で開かれた企画展「角館と民藝」が11月19日に閉展しました。写真はその第三部「角館を訪ねた人びと」の展示風景。左から式場隆三郎、村岡景夫、外村吉之介が紹介されています。(右奥は芹沢銈介の「法然上人絵伝」銀座たくみ蔵)
 ガラスケースにはそれぞれの著作、式場隆三郎『ヴァンゴッホの生涯』、村岡影夫『津軽のこぎん』、外村吉之介『少年民藝館』が納められています。いずれの著書も当ショップからの出展です。
2023/12/14(Thu)
樺細工の木地もの
 秋田県角館町の樺細工の老舗・藤木伝四郎商店は「木地もの」と呼ばれる箱型の製品に定評があります。同町の雲沢工場で自社制作しています。
 写真は小刀で貼り樺を整えているところ。
 その木地もの製品のなかから「線香入れ」と「裁縫箱」が今年度の日本民藝館展に出品されています。
 日本民藝館展は東京駒場の日本民藝館で、会期12月10日~12月25日。
 藤木伝四郎商店の木地ものには、桜の樹皮の美しさはもとより製品の縦横の寸法にまでも伝統の美しさが宿っています。
2023/11/11(Sat)
蛇の目の器
10月1日からショップ店頭では「門喜窯」加賀屋幹樹さんの器を展示販売しています。
器の中にある釉薬の掛かっていない輪は、蛇の目と呼ばれる重ね焼きの技法。ちょっと古風な幹樹さんの手仕事の魅力です。
写真は鉄釉五寸深鉢。
2023/10/9(Mon)
お盆のない町
 なだらかな砂漠の丘に広がる景色はエジプト・カイロ近郊の死者の町。レンガと粘土で作られた箱型の墓が寄り合っています。
 ふだんは人が立ち入ることはなく、日本のお盆のような風習もないそうです。墓守の家族だけが暮らしています。
 2018年3月、設楽享良氏撮影。
 
2023/8/11(Fri)
十文字竹細工
 大正5年、湯沢市に養蚕技術教育の乙種養蚕学校が設立され、翌年、秋田県是秋田製糸会社(従業員500人)が創業しました。ここに養蚕用の桑摘みかごや蚕かごなどの需要が生まれ、これに応えたのが地元に竹細工でした。
 やがて養蚕業とともに竹細工も姿を消していきましたが、十文字竹細工だけは果樹農家や川漁師の注文に支えられ平成の時代まで操業をつづけました。
 写真の竹細工「収獲かご」は十文字竹細工の最後の職人佐藤正行さん(平成21年逝去)の作。
 この季節になると「お盆までに納めるのだ」と言いながらせっせとかご作りに励んでいた正行さんの姿を思い出します。
2023/8/1(Tue)
岩七輪
 その昔、秋田で七輪が作られていました。産地は旧森吉町浦田地区。柳宗悦の著書『手仕事の日本』に「恐らく七厘としては最も美しいもの」と紹介されています。左の写真が芹沢銈介の小間絵でお馴染みの漆喰を施したもの。右は地元用の素焼きのもの。秋田で呼ぶ七輪はすのこに七つの穴(輪)があることに由来し、『手仕事の日本』で呼ぶ七厘は「炭の代金七厘にて足りる」に由来するそうです。鍋にはホタテの貝殻を使います。
 今の季節なら、塩くじらのナスかやきです。
2023/7/25(Tue)
水分補給
一人の男性が素焼きの壺「オッラ」に飲料水を注いでいます。
このあとこの壺は、誰でも飲めるように街頭に並べられ、道行く人々ののどを潤します。
エジプト・カイロの朝の風景。2018年、設楽享良氏撮影。
2023/7/8(Sat)